同じ人について書かれていても・・・
なんなんだ。この違いは。
ドラマを見て「朴正煕大統」「金鐘泌」という人物に興味を持ったため、「韓国危うし」小谷豪治郎氏 を読んだ。
他には・・・と思って探したところ「朴正煕と金大中~私が見た激動の舞台裏~」(共同通信社)文明子 著がみつかった。彼女は、日帝時代に密航船に乗って来日し、明治大学に留学、その後早稲田大学の大学院に進学し、新聞社の特派員として、日本で働いた。その後、韓国マスコミの特派員として米国に渡り活躍した。野党の最有力者、金大中の拉致事件が実は韓国のKCIAの仕業だった事を報道したために、韓国政府から睨まれ、米国に政治亡命し永住権を得る。
この本がまた面白かった。小谷氏のが金鐘泌を通した朴政権の擁護だとしたら、文さんの本は、朴政権に対してペンを武器に真っ向から批判の嵐。裏話満載で「表の報道はああだけど、実は・・・」っていう部分がたくさん暴露されている。軍事政権下のマスコミの堕落ぶり、側近たちの不正腐敗、裏金作り、KCIAの暗躍について、取材で得た情報が実名でありありと書いてある。両方読んで、ちょうどバランスがよかったかも。
お互いに、自分の論理に合わない都合の悪い部分は書いてないし。当時、韓国で朴正煕を英雄化する流れがあって、それを知った文さんが「庶民に対して不利益を働いた軍事独裁者が英雄化されるのを、ジャーナリストとして黙って見ているわけには行かない」と奮起して書いたようだ。
文中は朴政権の暗部に対する批判で満たされている感じだけど、そんな韓国政府の動きは実はアメリカ政府幹部に筒抜けで、政権発足から朴大統領暗殺に至るまで、アメリカの手のひらの上だったこと、ロッキード事件で失脚した田中角栄もまた然り・・・みたいな事がサラっと書かれていて興味深かった。
しかし、文さんの生涯はドラマとか映画になったら、めちゃくちゃ面白そうだ~。彼女は民主化運動の象徴として金大中を支持していた。金大中の北朝鮮訪朝を取りまとめたのが実は彼女だったようだ。誰もなし得なかった、金正日との単独インタビューまでこなしている。すごすぎる~。
この凄腕のおばさんを一度生で見てみたかったけど、今は生きていらっしゃらないのが残念だ。


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