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May 19, 2009

官僚たちの夏~TBSで7月放送

 英雄時代が予想外に面白かったのと、途中で打ち切りになっているため、続きが気になったこと、個人的に「朴正煕大統」「金鐘泌」という人物に興味を持ったため、この時代について書かれている本を探して読んでみた。図書館で見つけた「韓国危うし」小谷豪治郎氏 著はとてもまとまっていて、わかりやすく、人物描写も具体的でとても面白かった。

 韓国の近代化を引張っていったのは、軍人たちによる統治だったのだけど、それは常に北朝鮮に脅かされている韓国ならでは、という事情がよくわかった。国が政治的に混乱したり、非常事態に陥った場合、常に38度線が北の脅威に晒されているため、隙を見せると北が即座に攻撃に打って出る。実際に清瓦台付近まで北朝鮮の特殊部隊が迫ってきた事も何度かあったようだ。結果、戒厳令が発令されて、軍部が実権を握るようになる。しかし、その陰には金鐘泌のような実力者の支えが常に必要だった。彼の内外での人脈や政治的な活動が韓国の近代化を下支えしていた。

 韓国の陰の実力者が金鐘泌なら日本は・・・?と思って調べたら、下村治という大蔵官僚が池田勇人内閣の所得倍増計画を実現する時に活躍していた事を知った。興味を持ったので、この人の本も借りて読んでみた「日本は悪くない、悪いのはアメリカだ」(下村治)。これは、なかなか面白かった、下村博士の歯切れもいいし、経済の事がわからない人にもわかるように書いてある。「思い邪なし~下村治と激動の昭和経済」(水木楊)。これは、一見、あたりはいいのだが、読み進んでみるとイマイチだった。記述が断片的すぎるし経済政策の要約みたいな事がさらっとまとめてあり、一見読みやすいのだけど、シロウトには全然理解が出来ないので。

 ・・・と、タイムリーな事にTBSで7月から城山三郎の小説が原作の「官僚たちの夏」というドラマが放送になるらしい。昭和の経済復興期の話で、通産官僚がモデルになっているみたい。小説、ドラマの両方、見てみたいと思う。もしかしたら下村治も登場するかも?!

 韓国ドラマの「第五共和国」も見たいし・・・韓国は、朴正煕大統領暗殺後に、やはり軍部の全斗煥(チョンドファン)が実権を握る事になるのだけど、その時代を描いたドラマで英雄時代の続きともいえる内容らしい。北の影響が大きいのだけど、韓国はつい最近まで軍部の力が強く、完全な民主主義とは言いがたかったみたいで。ちょっと驚き。

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May 12, 2009

英雄時代 ~めちゃめちゃ面白い韓国ドラマ

 久々に大絶賛したい作品だった。人から借りたはいいものの、なかなか見る事が出来ず、見るまでに1年以上もかかり、やっと見終わった。見始めれば早いのだが、なんといっても長いので、手をつけるまでに準備が必要。

 実在の人物がモデルになっていて(ドラマならではの脚色はあるようだけど)、興味深い。全部で70話あるが、前半37話と後半32話は別のドラマのようなもの。

 前半が現代とサムスン創成期~青年時代まで。日帝時代の苦労話や朝鮮戦争勃発でソウルから命からがらに釜山に避難したエピソードや、悲恋の恋物語、2度も失敗し、難航した漢江陸橋のエピソードなど見所がたくさん。「信用を守るためには、何があっても、引き受けた以上はやり遂げる」という主人公の執念がすごい。

 後半は、革命政府のクーデター事件から始まる。前半の主人公たちは40代、50代になっている。会社もなんとか軌道に乗り、韓国屈指の財閥に成長し、上位10社の社長達が不正蓄財の罪で連行される。時の大統領は軍事政権を樹立したばかりの朴正熙。政治家や軍人と財閥の癒着を粛清するための措置だった。

 そこで、閣下と主役たちが出会い、事業家と政治家の言葉に出来ない攻防が繰り広げられる。時には同志であり、時には権力者と臣下、時には任務遂行者とアドバイザーといったように、親交が深まる。そして「国富」を実現するために、政治家と事業家が一体になり、国家の威信をかけた高速道路建設の取り組みに発展していく。

 当時の韓国は「世界一貧しい国」と言われていた。度重なる戦争や占領などで、国は破綻寸前。そこで立ち上がったのが、朴正熙(パクジョンヒ)をリーダーとする有識な軍人たちだった。中でも大活躍をして閣下を支えたのが、日本と国交正常化を締結した金鍾泌(キムジョンチョル)。彼が日本に乗り込んだ時には、36歳だった。彼は国内財政の逼迫を救済するために、国民から「売国奴」と言われることを承知で、日本から賠償金をもらうため国交正常化に尽力した。また、朴正熙は、アメリカからの支援を取り付けるために、軍人をベトナムに派兵した。その時の朴正熙の台詞がかなり印象的だった。「これほど辛かった事はない。我々は売るものが無いから、国民を犠牲にするのだ。これは大儀でもなんでもない。労働力の輸出にすぎない」国が貧しくなるというのは、こういう事なのか・・・と痛いほどわかるシーンだった。彼らは獲得した外貨を使い、国内に高速道路を敷く事を試みる。野党の大反対や妨害に遭いながらも「やるといったらやる。今これをしなかったら、我々に未来は無い」と軍人をも工事に投入して、24時間体勢での突貫工事。国会でのやり取りや野次り合戦など、妙にリアルだった。そうやって国としては精一杯の努力をしていても、国民にそれが有益だったと受け入れられるのは、何年もしてから。生活が貧しいことに端を発したデモなどが頻発していて、国内は常に揺れている。それでも男たちの意地とプライドと使命感によって、大事業はなされた。

 彼らが居なかったら、今の韓国は存在しない。歴史というのは不思議なもので、出会うべき人物が同時代に存在し、運命的な出会いをして、立場が違えど、国のために、それぞれ力を出し合い、大事を成し遂げていく。政治家を代表とする権力者に経営者がいいように利用されるような部分もきちんと描かれているところがよかった。また、政治に振り回される事にうんざりしている実業家のしたたかな部分もきちんと描かれている。

 財閥の後継者問題などもきちんと描かれていて、興味深い。儒教社会の韓国は長男は特別な存在だけれども、親の期待通りに育っていない子供に対して、冷徹にならざるを得ない、巨大グループオーナーの葛藤と苦悩と孤独。父親の大きすぎる存在と、父の期待に応えられない子供の葛藤もきちんと描かれている。家庭内の問題が大きくなって、はじめて自らの教育の不行き届きを50にして悟る、など、そんな部分も人間ドラマとして見応えがあった。また彼らを支える妻の苦労もひとしおだ。家庭は二の次で、会社と仕事の事しか頭に無い夫を支える妻というのは、金銭的に恵まれても、耐えるばかりで平凡な幸せとは言い難い。

 面白いのに、歴史の勉強まで出来て、大変ためになるドラマだった。こんなドラマがもっと見たいな~~~。この脚本を書いた人は本当にすごいと思う。ドラマの1話1シーンに、すごい情報が詰まっていて濃い~。普段は時間節約のために倍速で見たりするのだが、これはきっちりと70時間を費やした。

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