デビット・ルヴォー 演出の人形の家を見てきた。 主演は宮沢りえ、堤真一。シアターコクーン。
ルヴォー演出はなんていうか・・・上手く言えないけど、好き。雰囲気というか、その空間が。今回もルヴォーが演出する作品なので大注目ということで見に行った。「人形の家」題名はよく聞くけど、見たことも読んだ事も無くて。見終わって「あぁ、そいうえば、これは映画でもあったはず」と思った。
劇場の四方から中央に設置している舞台を見るスタイルで(野田さん時と同じ)、どの客席から見ても役者さんが近い!空間の密度が濃くて、大きくなったベニサンピットみたいだった。主人公ノラの家の居間に人が出入りすることで、話がどんどん展開していくグランドホテル形式。その居間では、天真爛漫で幸せそのもののセレブ主婦「ノラ」の知られざる過去が語られ、秘密がちょっとづつバレてきて、どうなるんだろう~?という好奇心と興味がそそられ、サスペンスチックな展開にドキドキ。
はじめは「ノラってかわいいだけのお気楽なバカ女?」と思ってたけど、中盤あたりから「これってダンナが悪いよねー」と思うようになった。一見理解がある理想的な男に見えるんだけど、実は「『見たくないもの』は見ない」「自分の価値観で、見た目どおりにしか判断しない」「自分に害が及びそうな時は逃げの体勢」っていうガッカリ度No1になりそうな、伊達男。でも稼ぎはいいし、見た目もグッドだし、妻に対する態度もハナマルもので。多分はたから見たら「イケ面だし、奥さんにも優しいし、理想的なご主人ねぇ~」なんて言われそうな人そのもの。
ノラはお気楽で天真爛漫に見えるけど、実は体面を気にしすぎる傾向がある。そんな事で家族にも秘密が増え、いつの間にか自分まで騙して家や夫のために人知れず奔走した過去がある。ノラの秘密が徐々に暴かれるに従って、周囲との人間関係にも変化が生じ、最後にはノラ自身に避けられない変化が生じる。修羅場を通り抜けてやっと気づくというか、大人になるというか。とにかく、色んな事を悟る。それまで「幸せ」と思っていた生活が、実は、過保護な父や夫の「操り人形」的生活で「求められている偶像を演じていたに過ぎなかった」という事を。「今までの自分の生活を捨ててやり直す」と決心する。「私はかわいいだけのお人形じゃない!」女の人権、自分らしく生きる権利、に気づく瞬間。そして”人形の家”は崩壊する。。。
ここまで見て「そうか、これはウーマンリブの時代に描かれたものなんだなー」と気づく(遅っ!)ノラの独白はもっともなんだけど、でも今の時代に・・・こんな妻(夫に歯向かう事も無く、自分を押し殺し続ける)っているだろうか・・・とも思う。妻でなくて子に置き換えたら、ありうるなー、と思ったけど。例え望んでやっていても、何かのきっかけで爆発!とかありうるよね~。
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