「悪い男」キム・ギドク監督
「悪い男」キム・ギドク監督
主役の男にずっと台詞が無いのが印象的だった。喋らなくても、真情変化はしっかりと伝わってきたけど。
内容的には暴力的で、かなり生々しいのに最後には究極の純愛にシフトチェンジしていて。そういう手法がギドクマジックだと思った。ギドクがインタビューで「驚かれるかもしれませんが、男には皆こういう願望があるのです」みたいな事を言っていたけど、描かれている内容ははっきり言って「犯罪じゃない?これ」です。
女の理想が「王子様的男性が出てくる非現実的な少女漫画風の純愛」だとしたら男の理想は「犯罪モード全開の非現実的純愛」って事?!
で、主役の女の子の選んだ結末には「男のファンタジーなんだろうな~コレ・・・」と思いました。だって、絶対ああいう展開は普通はありえないと思うので・・・。ただ、ストックホルム症候群、という心理学が思い出される部分もあり、絶対とは言い切れないかも・・とも思います。
一般社会では落伍者の烙印を押されている男にも純愛はあり、欠点だらけの男にだってファンタジーはあり得る、というような視点からの映画です。ギドクのポリシーが感じられます。ギドクの映画には”人間の業とか毒の部分”がモロ出しになっている部分も多く、好き嫌いの分かれる作家だとは思います。強烈だけれど、こんな監督がいてもいいんじゃないのか、そう思います。


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