June 13, 2009

同じ人について書かれていても・・・

 なんなんだ。この違いは。

 ドラマを見て「朴正煕大統」「金鐘泌」という人物に興味を持ったため、「韓国危うし」小谷豪治郎氏 を読んだ。

 他には・・・と思って探したところ「朴正煕と金大中~私が見た激動の舞台裏~」(共同通信社)文明子 著がみつかった。彼女は、日帝時代に密航船に乗って来日し、明治大学に留学、その後早稲田大学の大学院に進学し、新聞社の特派員として、日本で働いた。その後、韓国マスコミの特派員として米国に渡り活躍した。野党の最有力者、金大中の拉致事件が実は韓国のKCIAの仕業だった事を報道したために、韓国政府から睨まれ、米国に政治亡命し永住権を得る。

 この本がまた面白かった。小谷氏のが金鐘泌を通した朴政権の擁護だとしたら、文さんの本は、朴政権に対してペンを武器に真っ向から批判の嵐。裏話満載で「表の報道はああだけど、実は・・・」っていう部分がたくさん暴露されている。軍事政権下のマスコミの堕落ぶり、側近たちの不正腐敗、裏金作り、KCIAの暗躍について、取材で得た情報が実名でありありと書いてある。両方読んで、ちょうどバランスがよかったかも。
 お互いに、自分の論理に合わない都合の悪い部分は書いてないし。当時、韓国で朴正煕を英雄化する流れがあって、それを知った文さんが「庶民に対して不利益を働いた軍事独裁者が英雄化されるのを、ジャーナリストとして黙って見ているわけには行かない」と奮起して書いたようだ。

 文中は朴政権の暗部に対する批判で満たされている感じだけど、そんな韓国政府の動きは実はアメリカ政府幹部に筒抜けで、政権発足から朴大統領暗殺に至るまで、アメリカの手のひらの上だったこと、ロッキード事件で失脚した田中角栄もまた然り・・・みたいな事がサラっと書かれていて興味深かった。

 しかし、文さんの生涯はドラマとか映画になったら、めちゃくちゃ面白そうだ~。彼女は民主化運動の象徴として金大中を支持していた。金大中の北朝鮮訪朝を取りまとめたのが実は彼女だったようだ。誰もなし得なかった、金正日との単独インタビューまでこなしている。すごすぎる~。

 この凄腕のおばさんを一度生で見てみたかったけど、今は生きていらっしゃらないのが残念だ。

  

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June 02, 2009

劔岳 点の記

劔岳 点の記

試写会で見てきました。出演者も豪華で、内容も面白そうだし・・・。

 結果、期待以上に良い作品でした。明治時代に地図作成の目的で、軍部の命令で前人未到達の「劔岳(死の山とも言われている)」登頂を余儀なくされた文官と、彼を山に導く村の案内役の挑戦が描かれています。ライバルの山岳同好会(お金持ちで、最新の登山器具持参)なんかも現れて、どちらが先に登頂に成功するんだろう?と、最後まで面白く見れました。

 なんと言っても、圧倒的な映像美が素晴らしかったです。CGらしき痕跡はないのに、迫力ある自然の脅威が撮影されていました。ある意味、自然が主役とも言える映像の中に、人間の機微がやや抑え目に描かれ、そこもまた良かった。古き日の日本人の姿がありました。今や世界に誇る日本の技術はこの日本人魂が脈々と受け継がれているという事だろうな~と思わせられる内容でした。

 おくりびとに継いで海外でも良い評価を得るといいな~と思う。元キャメラマンだった木村監督の渾身の作品です。監督のこれまでの作品履歴を見て、映像がダイナミックで美しい事に納得しました。

http://www.tsurugidake.jp/(公式サイト)

http://www.tsurugidake.jp/blog/(公式ブログ)

作り手が苦労しているものは、やっぱり面白いです。

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May 19, 2009

官僚たちの夏~TBSで7月放送

 英雄時代が予想外に面白かったのと、途中で打ち切りになっているため、続きが気になったこと、個人的に「朴正煕大統」「金鐘泌」という人物に興味を持ったため、この時代について書かれている本を探して読んでみた。図書館で見つけた「韓国危うし」小谷豪治郎氏 著はとてもまとまっていて、わかりやすく、人物描写も具体的でとても面白かった。

 韓国の近代化を引張っていったのは、軍人たちによる統治だったのだけど、それは常に北朝鮮に脅かされている韓国ならでは、という事情がよくわかった。国が政治的に混乱したり、非常事態に陥った場合、常に38度線が北の脅威に晒されているため、隙を見せると北が即座に攻撃に打って出る。実際に清瓦台付近まで北朝鮮の特殊部隊が迫ってきた事も何度かあったようだ。結果、戒厳令が発令されて、軍部が実権を握るようになる。しかし、その陰には金鐘泌のような実力者の支えが常に必要だった。彼の内外での人脈や政治的な活動が韓国の近代化を下支えしていた。

 韓国の陰の実力者が金鐘泌なら日本は・・・?と思って調べたら、下村治という大蔵官僚が池田勇人内閣の所得倍増計画を実現する時に活躍していた事を知った。興味を持ったので、この人の本も借りて読んでみた「日本は悪くない、悪いのはアメリカだ」(下村治)。これは、なかなか面白かった、下村博士の歯切れもいいし、経済の事がわからない人にもわかるように書いてある。「思い邪なし~下村治と激動の昭和経済」(水木楊)。これは、一見、あたりはいいのだが、読み進んでみるとイマイチだった。記述が断片的すぎるし経済政策の要約みたいな事がさらっとまとめてあり、一見読みやすいのだけど、シロウトには全然理解が出来ないので。

 ・・・と、タイムリーな事にTBSで7月から城山三郎の小説が原作の「官僚たちの夏」というドラマが放送になるらしい。昭和の経済復興期の話で、通産官僚がモデルになっているみたい。小説、ドラマの両方、見てみたいと思う。もしかしたら下村治も登場するかも?!

 韓国ドラマの「第五共和国」も見たいし・・・韓国は、朴正煕大統領暗殺後に、やはり軍部の全斗煥(チョンドファン)が実権を握る事になるのだけど、その時代を描いたドラマで英雄時代の続きともいえる内容らしい。北の影響が大きいのだけど、韓国はつい最近まで軍部の力が強く、完全な民主主義とは言いがたかったみたいで。ちょっと驚き。

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