March 12, 2019

日本の文化 焼き物や掛け軸から感じること

最近、日本茶にも興味を持ち、お茶の水色がわかるように、白い茶器が欲しくてデパートに行った。たまたま備前焼の出店が来ていた。吸い寄せられるように足が向く。

 

備前焼の知識は大雑把にはあったものの、見た目が渋すぎる。急須を買うなら「常滑焼のコロンとまるい可愛らしいヤツ」と思っていた。けど、かわいい常滑は残念ながら急須の中が洗いにくい。非日常的な気がする・・と思っていたところ、出店商品の中に一人飲みにいいような、小さい急須発見。200mlサイズ?だるま急須(宝瓶ほうひん)と呼ばれるタイプ。口も広くて、茶葉が流しやすいようなカーブがつけてある。洗い易そう(ココ大事!)。目詰まりしそうな注ぎ口の穴は大きめ、余計な金網は無し(錆びる心配なし!)。

 

玉露向けかな、とも思ったけど、普通に煎茶を淹れても良さそう。作家さんが言うには、備前焼は丈夫だから、汚れが気になったら亀の子束子で洗うといいよ、とのこと。蓋もピターっと納まり、まさに職人技。いっけん、ざらざらした感触で、色は土っぽく、地味~~なんだけど、作家さんが20年以上使用しているコーヒーカップを見ると、茶渋もついていないし、全体的にしっとりとした感触で、愛着が湧く風貌をしている。

 

備前焼は、赤松の木を使い、素焼きのみで約2週間にわたり焼き締める。焼き色に炎や灰が作用して、窯変が出て独特の味わいが生じる。釜の中で置かれる場所により、様々な「景色」が出てそれぞれの個性になる。胡麻(ごま)桟切(さんぎり)火襷(ひだすき)牡丹餅(ぼたもち)青備前(あおびぜん)黒備前(くろびぜん)白備。焼きあがった作品の中に、炎を感じ、自然やぬくもりを感じることが出来る。

 

 

備前焼の特徴として、熱を通しにくい(冷めにくい)、気泡から酸素が出て、切花が長持ちする、ビールや酒が美味しくなる、水が傷みにくい、丈夫で割れにくいがあげられる。また、長年使い込むことにより、色味にも変化が生じる。育てる系の道具ということ。

 

日本は昔から災害も多く、戦も多かった。道具も家も「簡素が一番」。いざとなったら、引越し(移転)がラクなことが考えられていたのでは?!資源もないし「足るを知る」生活というか。掛け軸や切花の飾りにしても、シンプルな構図と少ないアイテムの中に、緊張感と季節感、無限の奥行きを感じるような精神。ひとつの道具を大事にして、その時々を愛でながら、育てていき、愛着の持てるヤツに変化させる。日本人の本来の豊かさ、ってこういうことなんじゃないのかねぇ、とふと思った。

 ・自己を殺して、主を生かす
 ・自己主張せず、調和を図る
 ・水を生かし、酒を生かす
 ・投げても割れないほど固く、使いやすい

今は「気に入らなければ捨てて新しく買いなおす」「ラクで清潔だから使い捨て」という合理性が優っているが、なんか違う気がする。日本人固有の合理性を大事にしたい今日この頃。

西洋の食器は、数揃えて、バーンと豪華にみせて威圧する系。見た目で勝負って部分がある。日本のものは、一見地味なんだけど、見る人が見たらわかる・・というもの。

安くはなかったので、悩んだ末に「これも出会いかな」と思って購入。ネット商店などでも買うことは出来るが、持ってみて感じる「印象」を大事にしたい。使ってみたところ、思ったよりも乾きやすく、しまうのに邪魔にならない。湯切れも良い(ココも職人技)。重宝しそう。大事に育てようと思う。

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March 11, 2019

ピルグリム2019 「虚構の劇団」

エンタメ的な作品なのかと思っていたが、全然。ガチな演劇そのものだった。鴻上氏は結構真面目で、本当に演劇が好きなんだな~と思った。

 

SNSでユルく繋がってコミュニティを形成し、居心地の良い社会を作る筈が、いつかを境になぜだかディストピアと化すあるある。

 

売れなくなった小説家・六本木は、担当編集者から雑誌の連載の打ち切りを告げられる。編集者は編集長に交渉して、六本木の書き下ろし長編小説を提案する。六本木は過去の同人誌を元に長編小説を書き始める。小説は半SF的で、ユートピア、オアシス、アジーを求める3人が旅をしているという設定。そこに到達するまでに途中いろんな人物に出くわすのだが、その人物らのやり取りで、六本木の過去の傷や秘密が明らかになり、最後には六本木が架空の世界にワープ。六本木はかつてコミューンを形成し、ユートピア的な世界を作ろうと思っていたが、途中から上手くいかなくなり、はみ出し者が生贄のごとく、ディスられるようになった。生贄が消えると、次の生贄が必要になる。その繰り返し。

 

集団の最小単位は家族。世の中で起こっている悲惨な事件もある意味ディストピア的なものが見受けられる(家族間DVとか)。社会が不安定に感じる場合はユートピアではなく、ディストピアにこそ生きるリアルを感じるのが人間で小説もそんなものが流行っているという。世の中便利で豊かさを実現しているはずなのにどうして?!という矛盾と理不尽さを表現している作品。そもそも「ユートピア」って存在するの?そこを問う作品。ある意味禅問答のような感じ。

もっとおふざけな作風なのかと思っていたら、結構哲学的だし、意外と難しかった。 主人公が虚構の世界に入るあたりから難しくなり、台詞も早いこともあり、頭に入りづらい。テンポはいいのかもしれないけど、情報を処理するような間合いも欲しかった気がする。

 

30年前に第三舞台により上演された作品。「オアシスはどこでしょう?」という鴻上氏が掲げる疑問は未だ古びず、我々に様々なものを問いかける。

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February 22, 2019

中銀カプセルタワービル 保存・再生プロジェクト

中銀カプセルタワービルの保存・再生の活動をしているオーナー兼プロジェクトリーダーが「見学会」を開催しているので、それに参加してきた。
何気に、建物好きなので・・・。まず外観が面白い。1970年代の映画のセットみたい!

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そして何より面白いのは、この建物のコンセプト。箱型の独立したボックスで、数年おきに、外して付け替えて・・という予定で作られている。1972年に建てられた。建築家の黒川紀章の設計。「将来的に同じカプセルタワーを全国に展開し、カプセルのまま引越し可能。これからはどこでも自分が住みたい場所に住み替えて仕事をする時代」と考えていたらしい。「新陳代謝する建物=メタボリズム」を代表する建物となった。ところが、思うようにカプセルタワーの普及が進まず、この1棟のみとなってしまった。結果、カプセルの新陳代謝は進まず、老朽化は進み46年が経過。お湯の配管が錆びついて壊れている部分があるが、特殊な設計のため、配管の大規模修理が出来ず、取り壊すか、再生 か、という岐路にたっているという。

 

建て直すためには、土地の持ち主(借地権を有する)とカプセル所有者の同意が必要で、お金もかかることから、本来なら強力なスポンサーが欲しいところ。が、そうすんなりとは事は運ばず、この企画という運びになったらしい。

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«村上春樹のスピーチより(2009年エルサレム賞)

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